プロジェクト紹介

OPEN BRAIN SCIENCE: WEB上脳空間でデータを共有し、解析ツールを開発して脳研究を活性化!
                 見えない遺伝子の存在を、見える形に・・・皆で共有できる情報に!
                                                                              (cc) Song and Okamura-Oho 2011

ReNtは、遺伝子発現図譜データベースViBrism を使ったオープンブレインサイエンスを提案します。 

 背景

ゲノム科学の進展は、私たちの生命観に大きな影響を与え、その生活にも変化をもたらし始めています。
ヒトゲノム30億塩基対のたった一つの違いが引き起こす単一遺伝病は、一つ一つは稀な病気ですが、既に2,000以上が知られています。またいわゆる生活習慣病などよくみられる病気への罹り易さは、環境の影響を考慮しながら、複数(時には非常に多数)の塩基の違いの組み合わせによって統計的に理解されるようになっています。

病気の治療や予防にこうしたゲノム情報を活用してゆくためには、研究倫理に十分配慮し、ゲノムに由来する機能単位である遺伝子が体内でどのように作られ使われているのかという情報(遺伝子などの生体高分子情報)を、臓器、組織、細胞といった生体の場で調べて記述し、その情報を共有して研究に役立てて行く事が重要です。

特に脳はその構造が複雑で、機能は高度に分化し且つ統合されています。こうした脳の研究のために、最新のコンピュータ技術を使って、脳科学と情報科学を統合した研究領域:ニューロ インフォーマティクス(Neuroinformatics): が生まれました。 WEB上に仮想の脳空間を設定して、実際の生体の場で得られた生体高分子情報を仮想の共通の場で記述する事でこれらをデータベース化し、情報の共有化を図り、研究の進展や健康増進につなげようという活動 (デジタル脳図譜作成プログラム:Digital Brain Atlasing Program) が、OECDの報告書に沿って、INCFを中心に国際連携として進められています。

コンピュータ技術の進歩で、ウェブ上で仮想空間を使った研究が、誰にでも手の届くところに来ています。
遺伝子の存在は目には見えません。しかし脳機能の基盤をなす重要は情報を担っています。
WEB上の最新技術を使って、「見えない物を見える形に」する事で、新しい発見があるはずです。

 理念

BReNt-ブレイン リサーチ ネットワークは、
RIKEN ViBrism-DB を発展させ、生体高分子の発現分布を使った新しいデジタル脳図譜作成」に積極的に参加します。
INCFの活動に賛同し、国際標準空間 Waxholm Space (WHS) で脳図譜を公開し、WEB上での開かれた脳研究に貢献します。

オープン ブレイン サイエンス
WEB上の脳仮想空間で、遺伝子をはじめとした生体高分子データを創出し、共有・公開します。

1.データ創出
共有にふさわしいデータ内容や共有の方法について、WEB上で討論します。
データ創出グループを作って、研究資金を調達します。
デジタル脳図譜のための発現データを創ります。
2.共有・公開
データ共有のための技術を開発し、公開します。
データ解析のための技術を開発し、公開します。
解析結果をウェブサイトで公開します。
共有・公開に必要な資金は、寄付によって賄います。


デジタル脳地図を置く
仮想3次元空間は、INCFプロジェクト発足会議が行われたスウェーデンの砦のある小島にちなんで
Waxholm Space (WHS) と呼ばれています。 (写真:Waxholm Fortress, Wikimedia Commons、参考資料:ファイルキャビネット内)

 プロジェクト内容

1.データ創出
#1 詳細発現データベース
今あるViBrism-DBより、100倍詳細な遺伝子発現データを成体マウス脳で作成する。
#2 時系列データベース
マウス脳で、胎生期から成体までの発達段階を、形態と遺伝子発現の総体(トランスクリプトーム)の変化で捉える。
#3 種間比較データベース
ヒトとその他の種の脳形態・機能分化の差異を、その背景にあるトランスクリプトームの違いで明らかにする。
#4 生体高分子発現データベース
遺伝子以外の生体高分子(タンパク、糖、脂質)についての発現データベースを作成する。
2.データ共有・公開
データレジストレーション
     共有する数値データを、仮想3次元空間の脳Waxholm Space: WHS) に位置付ける。
     WHSのその他の解剖学的データと合わせた脳機能解析を行うソフトウエアを開発する。
バイオインフォーマティクス
共通の表現様式である解剖・遺伝子オントロジーに基づいて、生体分子の定量データを統計学的に解析する。
4次元可視化
     時空間データを直観的にとらえやすいインターフェースを開発して、成果を分かりやすくWEBで発信する。